サービス残業が無くならないのはナゼ?

サービス残業が横行する理由

1)法令順守意識が低い(主に企業側)

2)コスト削減の為(主に企業側)

3)上司、先輩による無言の圧力

4)やらなければ悪いという罪悪感

出典:(株)クイック運営サイト<転職Hacks> 一部、文章表現に変更有り

 

 

問う人 「僕は営業職なんですけど、毎晩遅くまで残業していまして」

知る人 「何時ごろまで働いてるのかな」

問う人 「早くて9時、遅ければ零時を越えます」

知る人 「定時は」

問う人 「朝9時から夕方6時です。一応、昼休みは1時間ですけど、10分以内にメシ食って終わりです」

知る人 「遅いのは週に何回ぐらいかな」

問う人 「ほぼ毎日でして、それがもう半年続いてます。さすがに女房が怒りまして、手当が出ないのはおかしい、労基署に訴えろってあんまりうるさく言うもので」

知る人 「毎晩9時までとしても、月60時間以上の残業だね。半年なら360時間だ。それだけ会社にサービスすれば疲れるだろう」

問う人 「疲れてるはずなのに、よく眠れないんです。あと、朝起きた時に胃がムカツキます」

知る人 「なるほど。でも、こう言っては悪いが、どうも切迫感が希薄だね、君。奥さんに言われて仕方なく来たというのが正直なところではないのかい」

問う人 「はあ、女房圧力70%、自力30%という感じですかね」

知る人 「うん、君のその答えが、サービス残業の無くならない理由を臭わせていると言っていいだろうね。残業もやむなし、という心情がハッキリ出ている。通り雨じゃないんだからね、じっと待ってればいつか通り過ぎるというものではない。現状を改善しなければ、と自ら必死にならないと何も変わらないよ」

問う人 「はあ、そうですよね。タダ働きさせられて悔しくないのかって女房に怒られました」

知る人 「その言葉を私も君に向けざるを得ない」

問う人 「ううん、悔しくないわけじゃないんですけど、僕自身もあまり出来のいい方じゃないものですから」

知る人 「俺様意識よりはマシかもしれんが。では本題に入ろう。サービス残業が無くならない理由は3つある。

①仕事量が多い ②仕事処理能力が低い ③または①②両方

・・・どうかな、自分はどれだと思う」

問う人 「③だと思いますね。トップセールス表彰を受けてる優秀なヤツでも残業してますから」

知る人 「ということはだ、君の能力を上げても問題は半分しか解決しないね」

問う人 「はあ。やっぱ労基署ですかね」

知る人 「どんな会社だか知らないが、君のその調子だと、ヘタに訴えれば報復人事で逆襲されそうだなあ。まだ30代だろう。転職した方がいいんじゃないかな」

問う人 「はあ、それも考えたんですけど、何だか面倒くさくて」

知る人 「愛社精神・プロ意識・労働者としての権利意識・向上心・家庭を守る責任感。これらすべてが、君には欠けている。かと言って、植田まさしの『かりあげ君』みたいなひょうひょうたるところもなし。ハッキリ尋ねるが、君は何が楽しみで働いてるのかな」

問う人 「ううん、女房にも同じことを聞かれました」

知る人 「なるほどね。ここは人生相談の場ではないからね、まあいいということにしておこう。トップセールスですら残業してるって言ったが、それはトップセールスだからこそ、じゃないのかな。首位を維持せんがための前向きな姿勢とも解釈できると思うが」

問う人 「でも、いつか辞めてやるってブツクサ言ってますよ」

知る人 「君に同調するようなフリをしているだけだ。そのトップセールス氏がどのくらい給料もらってるか、君はわかってるのかね」

問う人 「知らないです」

知る人 「そうだろう。ひょっとしたら、彼には残業手当が支給されてるかもしれないぞ」

問う人 「タダ働きだって言ってましたけど」

知る人 「企業の<手当>にはさまざまな種類がある。ケチな会社ほど多い。とまあ、言い切ってはいかんかもしれないが、ナントカ手当の多いところは、その分基本給が低い。そうすれば賞与も少なくて済むからね。ただ、君のような意識の低いサラリーマンの場合、待遇が悪いからといってすぐ転職しない方が賢明かもしれん。君、<七五三>を知ってるかい」

問う人 「あの、子供のお祝いのですか」

知る人 「違う。転職業界用語だ。転職すれば、年収が700万→500万→300万、という具合に、勤め先を変える度に下がっていくという意味だよ。君はまだ労働市場で売れる年齢だが、意欲面では<七五三>現象に見舞われる恐れがある。30代なら転職案件よりどりみどりと思ってるかもしれんがさにあらずだ。君がやるべきことは次の3ステップだ。

第1ステップ:まずは自力で仕事のやり方を効率化する。

第2ステップ:その成果を持って、上司に現状の改善を提案する。

第3ステップ:それでもダメなら就職先を探す。

・・・ということだ。会社を訴えるという選択肢もなくはないが、その場合、どれが自分の意志による労働でどれがやむを得ずさせられたサービス労働か、という明確な境界線を引くことが必要になる。誰の指示で動いたのか。残業やむなしという無言の圧力はあったのか。その他その他、いろいろと証言や主張をして、会社側と闘わねばならん。有名企業ならマスコミなど外野が味方してくれることもあるかもしれんが、君のところぐらいだとそれはない。莫大なエネルギーを使って憔悴して、ほとんど得るものもなく退場、という末路に至るのがせいぜいだ」

問う人 「はあ。そんなエネルギーはないです」

知る人 「そうだろう。<逃げるが勝ち>ということも往々にしてあるからね。だがその前にだ、さっき言った3ステップに従って、自分の働き方を改善することから始めてごらん。ノウハウ以前の問題として、取り組み姿勢だな。機械にやらせれば済むような単調な作業でなければ、どんな仕事でも工夫次第で面白くなるものだからね。君はまず自分の仕事に、会社の商品に、興味を持つことが必要だ。どうだい、ぐるっとひと通り考えてごらん。今の会社にも、好きになれる点がちょっとはあるだろう」

問う人 「はあ。正直言って、そういう視点で職場を見たことないんですよね。メシ食えりゃいいかって感じで」

知る人 「そうだ、皆、メシの為に働くのだ。(何の為の人生だ・・・)などと迷妄するよりは、君みたいな方が健全だし、傷も浅くて済む。ただ、ファーストステップに入る前に、近所の診療所で健康診断を受けなさい。それだけ長時間働いてるのだから、どこかおかしくなっていて当然だ。そうだ、私もうっかりしていた。健康管理が先だな。昼休みは10分だとか言ってたが、何を食べてるのかな」

問う人 「朝、出勤の途中でコンビニの弁当買って、それをかきこんでます」

知る人 「朝起きた時のムカツキはそれだ。コンビニの弁当はカロリーの塊だよ。多いのは1000kcal以上だ。野菜などほとんどない。コンビニで買うにしても、弁当はやめて、おにぎりとサンドイッチにしなさい。その方が体にいい。たぶん、晩飯も昼と同じように慌ただしくかきこんでるのだろう」

問う人 「はあ。食べるのが早すぎるって女房に怒られてます」

知る人 「まずは食生活の改善からだね。シャレを言うわけじゃないが、食=職 だよ。メシがうまけりゃ仕事も楽しくなる。食って働いて休む。食って働いて休む。この繰り返しだよ。かつて田中角栄が言ってたな。休んでから働くのではない、働いてから休むのだ、とね。ロッキードで味噌をつけてしまったが、有能な人物だった。まあ、君が将来大人物に化けることはなさそうだが、しかたなく働くよりはイキイキと楽しく働く方がいいだろう。会社を変える前に、まず自分が変わること。ただし、健康診断は必須だよ。結果が出たら、奥さんにそれを見せて、2人でよく話し合いなさい。どういう家庭を築きたいのか。それにはどういう働き方が必要なのか。君だけの問題じゃないからね。もちろん、奥さんだけの問題でもない。夫婦仲はうまくいってるのかい」

問う人 「はあ。よく怒られますけど、仲は悪くないと思います」

知る人 「それならよろしい。奥さんとうまくいっていれば、仕事も悪い方へは行かないものだよ。まあ、君などまったくマシな例だよ。なかには過労死寸前という人だっているのだからね」

問う人 「はあ。それは大丈夫だと思います。深刻になる方じゃないんで」

知る人 「考え過ぎるのもいかんが、君はもっと考えた方がいい。仕事では頭を、家庭では心を使うことだね。体はどちらでも必要だ。とにかくできる事から始めなさい。self helpの精神でね」

問う人 「どういう意味ですか」

知る人 「さっきも言ったろう。食って働いて休む。それを英語で短く言いあらわしただけだ」

問う人 「とりあえず、健康診断の予約いれときます」

知る人 「それがいい」

(了)

 

本記事により、ひとつの深い疑問が抽出されます。題して、

素顔の自分と向き合う。その時あなたは

合わせてお読みください。

 

 

 

 

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