大好き!1970年代ロック&ポップス

【1970年代 全米TOP10ヒット(10年間集計の上位10曲)】

第1位:恋するデビー/デビー・ブーン

第2位:明日に架ける橋/サイモン&ガーファンクル

第3位:喜びの世界/スリー・ドッグ・ナイト

第4位:愛は面影の中に/ロバータ・フラック

第5位:アローン・アゲイン/ギルバート・オサリバン

第6位:今夜決めよう/ロッド・スチュアート

第7位:アメリカン・パイ/ドン・マクリーン

第8位:愛はきらめきの中に/ビージーズ

第9位:ステイン・アライヴ/ビージーズ

第10位:マイ・シャローナ/ナック

出典:ラジオ日本『全米トップ40』1980年放送

 

 

夫 「あれ、帰ってたの。気が付かなかったよ」

妻 「ヘッドホンして楽しそうだったから、声かけなかったの。何聴いてたの」

夫 「<グランド・ファンク>だよ・・・って言っても知らないよね。1973年にアメリカで大ヒットしたロックの名盤なんだけど」

妻 「アナタが生まれる前に流行ってたんだね。時々、アナタ宛に小さなお届け物が来るけど、あれってCDでしょ」

夫 「うん。ずっとamazonで買ってたんだけど、最近、カケハシレコードに変えたんだ。B級ロックとかイタリアン・ロックとか、面白いの扱ってるんだ。君も何か買ってみれば」

妻 「アタシはそういうの全然わかんないから。職場の部長が来年で還暦なんだけど、飲み会になると必ず70年代アメリカン・ロックの話になるんだよね。ああまたか、って感じ」

夫 「その部長さんは何聴いてたんだろ」

妻 「テキトーに話合わせてるだけだから覚えてないけど、LSD中毒のロック・スターなんて珍しくもなかったんだとか、ろくでもないことを嬉しそうに話してたよ」

夫 「僅少な事例を極大化してるねえ、部長さんは。ロック=ドラッグ っていうステレオタイプがいまだに頭から離れないんだな。確かにそういう連中もいたよ。でもいつの間にか消えてったか、或いは改心したか。メジャーとしては生き残れないさ。ほら、<キッス>なら君も知ってるだろ」

妻 「モモクロとコラボしてたオジサンたちでしょ。妙な化粧した」

夫 「彼らも僕が生まれる前から活躍してるベテランだけどさ、リーダー格のジーン・シモンズがこんなことを言ってるんだ。

幸運を信じたことはないね。より努力することで、幸運も手に入るものだよ。

・・・どう、いい言葉だろ。果報は寝て待て、ってのはダメだという意味だろうね」

妻 「道徳の授業に出てきそうな話だね。あれ、誰か来たわ。はいはーい、今開けます。・・・あら、アナタ宛だよ。この大きさだと、またCDだね」

夫 「おお、来た来た、カケレコからだ。<キング・クリムゾン>の2ndだよ」

妻 「何がいいんだかねえ。ケチつけるわけじゃないけど」

夫 「十分ケチつけてるよ。じゃあこっちも言わせてもらうけど、君だってジャニーズのライブ行ったじゃないか。もう40代のクセに。あんなガキどもの何がいいんだよ」

妻 「そうくると思ってたんだ。何がいいって、可愛いし、カッコイイし、センスいいし」

夫 「歌なんか全然うまくないじゃないか」

妻 「そんなのどうだっていいの。でもさ、アナタが先週の日曜にデーッカイ音で聴いてたの、アレなんかどうなのよ。アレこそ歌じゃなかったよ。わめいてただけじゃない」

夫 「日曜にデカイ音、ああ、洗濯物干すの手伝えって言いに来た時だね。あれは<セックス・ピストルズ>。70年代後半に、一世を風靡したパンク・ロックのバンドだ。わめいてるんじゃなくて、あれはメッセージだよ。ああいう形で、世の中に怒りをぶつけてるんだ」

妻 「そういうけどさ、あれみんな英語でしょ。アナタわかるの」

夫 「全然」

妻 「訳詞読んでるわけ」

夫 「そんなの読まないよ。でも伝わってくるのさ、彼らの魂が」

妻 「ふうん。どうだかねえ」

夫 「<ボブ・ディラン>の『ハリケーン』を初めて聴いた時さ、英語だし、どんな内容か全く予備知識無しだったけど、僕は感じたんだ、(この人はきっと、何かに対して怒ってる)ってね。8分間の長い歌だったから、どんな内容だろうと思って訳詞読んだら、無実の罪で刑務所に入れられた黒人ボクサーの話だとわかってね。これこそまさに、言葉を超えた理解だと思わないかい。音楽の力は無限大さ」

妻 「ううん、何だかわかったような、わからないような」

夫 「わかる、わからないじゃないと思うけど。君だって、ジャニーズをわかろうとして聴いてるんじゃないだろ」

妻 「そういやそうだね。わかるんじゃなくて、感じていたいんだよね」

夫 「そこだよ、僕が言いたいのは。理屈じゃないんだよ」

妻 「そうだよね。いいものは誰に何言われようがいいもんね」

夫 「自分の好きな事を、好きな時に、好きなだけやって、飽きたらやめる。誰にも迷惑かけない。もちろん報酬はないし、Tポイントが付くわけでもない。これが趣味というものなんだよ。思うだろ、君も」

妻 「うん、思う。何で好きなのって尋ねられたら、好きだから、でいいんだよね。趣味なんだから」

夫 「そうそう。僕は1970年代ロック&ポップスが大好き。君はジャニーズなら何でも大好き。理由は要らない。好きなものは好き」

妻 「ジャニーズなら何でも、ってこともないけど。うん、まあ、お互い、心の中に土足で上がり込むようなことはNGにしようね。さっきはゴメンね。ケチつけちゃって」

夫 「君の素直なところは趣味じゃなくて、属性だね」

妻 「褒めてくれたところで、ゴハンにしよっか」

(了)

 

本記事により、ひとつの疑問が抽出されます。題して、

仕事が趣味でナゼ悪い

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