川崎じもと応援券について考える
【川崎市に住む者です。『川崎じもと応援券』というのがありまして、最近、妻が買ったので使ってます。地域振興が目的のものなんですけど、不正利用を防ぐために行政側もいろいろ苦心してるみたいですよ】
知る人「いろいろ批判はあるだろうが、Go Toのごとき植民地根性丸出しの企画よりはマシであろう。何が気に入らぬのかね」
問う人「はあ、あのですね、券の利用方法についてなのですが、このように、一冊の冊子になってましてね、一枚ずつ切り離して使うんですが」
知る人「うん、なるほど。右端に半券がついているね。どこにでもありそうなものではないか」
問う人「これを使うときにですね、一々、冊子まるごと持っていかなければならないんです」
知る人「切り離し無効ってことか。よくある話だが」
問う人「券のイメージキャラクターとして、ドラえもんを使ってるでしょう。たぶん、藤子不二雄ミュージアムが川崎市内にあるからだと思うんですが、まあこれはいいとしてですね、ここ、ドラえもんの首輪と鈴の画像。以前は二色刷りだったのを、三色にしたんです。不正防止だそうで」
知る人「ふうん。色一つ増やしたくらいで、不正防止になるとは思えぬが。まあいいだろう。で、君の不満はどこにあるのかね」
問う人「今の色数のこともそうなんですけど、取り組みが不徹底だと思うんですね。冊子ごと持参しなきゃいけない理由も、切り離した場合、使いまわしている物かどうかわからないから、というんですが、忙しい店であれば、一枚ずつ切り離すのだって、けっこう手間なんですよ」
知る人「半券を切り離すとか、受領印を押してしまうとか、いくらでも方法はあるだろうに」
問う人「でしょう。なぜ使いまわしできるかと言いますと、ほら、半券にQRコードがあるでしょ。これで申請すれば、額面通りのお金を行政が振り込んでくれるんですね。そのあと、この券は回収されないらしいんです」
知る人「なるほどね。それを誰かに横流しすれば、自分も相手も得するというわけか。しかし何だな、裏に連番が打ってあるよね。これで管理すれば、不正などできぬであろうが」
問う人「どうやら、QRコードに連動してないらしいんです。つまり、単なる通し番号に過ぎないってことで。中にはコードで申請するのが苦手な商店主さんもいて、こういう場合は実際の券を役所に郵送するんです」
知る人「ということは、コード申請した者だけが使いまわしできるということになるね」
問う人「そうなんです。先日のGo To でも、偽申請で儲けた連中がいましたよね。行政機構ってのは、市民を信用していない割には、やることがザルなんですよ。困ったもんです」
知る人「どんなことについても、必ず抜け道を見つけて得する輩が出てくる。あらゆる可能性を考慮し、徹底的に議論・検討したうえで、そのような新しい試みをするべきなのだろうな。で、あとは何だ」
問う人「これでおしまいです」
知る人「ここのところ、東京五輪関連の真剣な議論をしていたからな、当サイトでは。このような、肩の力が抜けそうなお話は久しぶりだよ」
問う人「たまには息抜きも必要でしょ」
知る人「たまにはね」
(了)
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