保身男・新浪剛史氏に憐れみを
【違法サプリ問題により、新浪剛史氏が窮地に追い込まれている。経済団体トップの座は死守しようとしているが、やはりここは、潔く身を引くべきだろう。それにしてもこの一件、よこしまな空気に支配されている気がしてならないのだが…】
知る人「一企業の会長の椅子からは降りても、経済団体トップの座には居続ける。筋の通らぬ話であろうな」
問う人「そうですよね。ここはきっぱりと身を引くべきと思いますね」
知る人「セサミン等の売れ筋サプリメントを多く抱える企業の代表取締役会長が、違法サプリメントの個人輸入に関わったのだからな。知らぬ存ぜぬでは済まされまい」
問う人「でも、ここ数日の報道を見てますと、ずいぶん見苦しい態度に終始しているようですが」
知る人「まあ、彼も所詮はサラリーマンだからな。わが身可愛さに、あのような行動に走るのであろう。ほとんど想定内、といったところだな」
問う人「今後、刑事責任を問われるのでしょうか」
知る人「知らぬ。そうかもしれぬし、そうでないかもしれぬ。正直に言えばだな、これは些細な出来事なのだよ。世の中いったいいつまでこれを論じ奉るつもりなのか、と考えると、私は暗澹たる思いにとらわれてならぬのだがね」
問う人「どういう意味ですか、それは」
知る人「新浪氏のやったことは、あまりに軽率であった。他社或いは他者に対しては断固たる物言いで切り捨てておきながら、自分は潔白であると主張する。見苦しいことこの上もなかろう。これ以上醜態をさらせば、氏の経営実績にまで泥を塗りかねぬ。過去を栄光に満ちた状態で保存しておきたいのなら、速やかに潔さを示すべきなのだ」
問う人「ええ、まったく同感です」
知る人「だがね、先にも話した通り、氏の一連の態度は、組織人の典型的行動類型のひとつに、きっちりとおさまるのだな。結局は彼も細心翼々たるサラリーマンの一人に過ぎなかったのだ。大企業のトップで、しかも経済団体代表まで勤め、過去は綺羅星の如き経歴に満ちている。だから最大限に目立ち、さかんにやり玉に挙げられる。マスコミにとってこの一件というのは、続報また続報で、何回噛んでもオイシイ好材料だ。彼の高圧的態度や、女性への不適切なふるまいなども次々と明るみに出され、まあ、経済紙にもワイドショーにもネタを同時に提供してくれるという、なんともありがたい存在であり事件である…これが報道陣の本音であろうな」
問う人「責任ある立場の人が違法行為をやったのですから、マスコミに追い回されても仕方ない気がしますけど」
知る人「それも程度の問題だよ。少々まわりくどい言い方でここまで来たがね、要するにだな、全国民が注視するほどのことなのか、と言いたいのだ。当サイトではすでに少し触れたことだが、先日めでたく締結された日米交渉を見よ。担当大臣同士、笑顔で抱擁する映像が流されたが、あの場所はミズーリ号艦上ではないのだよ。もっと言うなら、悪名高き日米和親条約の再来と決めつけてもいいぐらいだ。中朝露三国による、対日戦勝利80年式典はどうだね。いまだに示威行動を見せつけられるわが国を、世界の一等国だと誇りに思えるか。わが日本はいまや、極東の一小国の地位に甘んじている。長い長い低迷期に入ったのだ。かくも危機的な状況にある国家において、一経営者の不祥事などに、いったいいつまでこだわるつもりか、と当サイトは言いたいのだよ。確かにあれは小さな事件ではない。誰にも納得のゆく形で決着させてほしいと私も思っている。だがね、マスコミの報道姿勢、これは真実を求める者のそれではなく、市場に売れ筋商品を並べたがる商人の姿なのだ。おもしろいですよ新浪事件、さあおひとついかがですか、とね。かくもよこしまな姿勢を見せつけられては、たまったものではない。新浪事件、さっさと決着させよ。そして、わが国を取り巻く難題に、国民の目を向けさせるのだ」
(了)
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