タワマンと北方領土:追記

【9月23日の記事で、北方領土について言及した。その後、当方の認識不足が明らかとなったので、ここに追記を載せておきたい。今現在の北方四島は、われら日本人が暮らしていた頃のように素朴なる大地ではないようなのだ】

 

 

知る人「9月25日の早朝、当サイト運営者U氏は、NHKの報道番組で、北方領土の現状を知った。それで、ここに追記しておこうと思ったようだ」

問う人「誰も読まない開店休業の場ですが、いちおう筋は通さなきゃ、と考えたのですね」

知る人「さよう。9月23日の記事では、手つかずの自然が多く残り、ロシア人たちが原生林に囲まれて暮らしているが如き書き方をした。だが実際には、ロシア側の開発業者たちに目を付けられてリゾート開発が進み、他地域の例にもれず富裕層の楽園になりつつあるようなのだ。すでに観光客がひんぱんに訪れて休暇を楽しんでいるそうだからな、決して理想郷などではない」

問う人「まだまだ多くの自然が残っていて、周辺の海域には珍しい魚介類がたくさんいるそうですが」

知る人「国家の戦略に組み込まれてしまえば、それらがいつまで保たれるかはあやしいものだ。晴れてわが国に戻ってきたときには、往時の見る影も無き惨状となっているかもしれぬ」

問う人「はあ。国後レジデンスや歯舞カジノは、ただの冗談じゃなかったのですね」

知る人「ロシアと日本の現地交流も途絶え、その頃の和気あいあいとした雰囲気などすっかり忘れられているようだな。こういったロシア側のかたくなな姿勢の背後にあるのは、ウクライナとの戦争だ。わが国がウクライナ支援にまわったことに対する報復措置の一環なのだ。嘆かわしいことだ」

問う人「戦争の終結は見えてこないし、となると、まだまだ現状は続きそうですね」

知る人「そうだな。なんせ経済の環というものは、ひとたび回り始めたが最後、破綻に至るまで止まらぬからな。北方四島の開発も、多くの種が絶滅してかつてを偲ばせるものがほとんどなくなってから、ようやく疑問の声が上がるのかもしれぬ。これはまあ、今まで世界中で繰り広げられてきた過ちと何ら変わるところなき展開だね」

問う人「いつもそうやって、自然が犠牲になるのですね」

知る人「動植物を<天然資源>と呼ぶこと自体、われら人類の傲慢な態度を表していると言えるだろうな。資源とは活用されてはじめて役に立つ。だが、それらは人間のために生まれてきたのではない。そこに生息するだけでじゅうぶんなのだからな。天の恵みと思い、感謝して少しずつでも活用すればまだよかろうが、捕獲や伐採は常にとどまるところを知らぬ。素朴な生き方で知られる北米原住民でさえ、おびただしい数の生き物を絶滅に追い込んだ過去を持っているのだ。まあ、今回は自然と人間との共存が主眼ではないからこのへんでやめるがね、とにかく、ロシアも日本も、自然をしゃぶりつくそうと身構えているという点だけは共通している。このことをよく頭に入れた上で、北方の領土問題は論じられるべきなのだ」

(了)

1238字

 

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