残業大好き男の生態

残業の多い職種 上位10

1)映像関連 2)編集・デスク 3)施工管理 4)コンサルタント 5)ドライバー・配送スタッフ

6)webデザイナー 7)グラフィックデザイナー 8)投資銀行業務

9)営業 10)クリエイティヴ・ディレクター

出典:パーソナルキャリア(株)の就職情報サイト<DODA>・2013年、22~34歳ビジネスパーソン4000人に対するアンケート調査結果

 

 

妻 「お帰りなさい。遅くまでご苦労様。さ、お腹減ったでしょ。いっしょに晩ご飯食べよ」

夫 「え、君、済ませたんじゃないの」

妻 「1人で食べたってつまんないもん」

夫 「ごめんね。でも、今度からは先に食べててくれないかな。僕と同じ30代の営業マンが辞めちゃってさ、でも業績悪いから増員しないんだって。そのせいで、僕のお得意先の件数が増えたんだよ。人増やしてもらうまでは忙しいと思うんだ」

妻 「ふうん。でも、アナタ何だか楽しそうじゃない」

夫 「そう。うん、まあ、忙しいのは悪いことじゃないからね。今こそ腕の見せ所ってとこかな」

妻 「派遣で行ってる事務所の人から聞いたんだけどね、従業員に残業させる場合、あらかじめ協定を結ばないといけないとか何とか」

夫 「知ってる知ってる。<36協定>だろ。大企業の話じゃないのかなあ。ウチみたいなちっちゃな会社がいちいちそんなことしてたら、よけい仕事が増えちゃうよ。それに、僕はトップセールスを目指してるからね。人一倍働かなきゃ。あ、ごめんね。家に帰りたくないわけじゃないんだよ。わかってほしいな」

妻 「うんうん、アタシ、楽しそうにしてるアナタを見るのが好き。でもね、アタシたちもう30過ぎちゃったんだし、体には気を付けようよ、ね」

夫 「春の健康診断では異常なかったんだけど、こんな調子じゃ、来年はわかんないなあ。まあ、君の手料理食べてれば大丈夫かな」

妻 「明日も遅くなりそうだね」

夫 「そうだなあ、部長と飲んで帰るかもしれない。明日は早めにLINEするね。・・・ん、どうしたの」

妻 「・・・だって、男の子が欲しいって言ってたじゃない」

夫 「あ、そのことかあ。ごめん、今夜は」

妻 「そんな無理言わないよ。でも、週末は2人だけの時間つくるって約束して」

夫 「うん、わかった。約束する」

 

 

妻 「ネクタイなんかしてどうしたの。きょう日曜だよ」

夫 「ごめん。きのう言えなかったんだけど、出勤になったんだ。企画担当が来週早々海外行っちゃうんで、きょうしか打ち合わせの時間とれないんだ」

妻 「今夜はアナタの好きなビーフ・ストロガノフだよ」

夫 「ありがと。なるべく早めに帰るから」

 

 

妻 「お帰りなさい。遅くまでご苦労様」

夫 「いやあ、また1人辞めちゃってさ、ますます忙しくなったよ」

妻 「やっぱり増員無しなの」

夫 「うん。今の頭数でうまく回せって社長が」

妻 「早朝出勤、残業、出張、休日出勤。どんどん増えていくね。体、大丈夫」

夫 「うん。自分でもビックリするくらい調子いい。売り上げが上がるとさらにやる気がでてさ、こういうのを好循環って言うんだろうね」

妻 「・・・その元気が夜にもあったらなあ」

夫 「ごめんね。今度の週末は何とか」

 

 

妻 「お帰りなさい。ここんとこずっと早いね。増員してもらえたの」

夫 「ううん。逆。ついに課長も辞めちゃった。で、部長に呼ばれてさ、当分の間、おまえが課長代行を務めろって言われてね。管理職兼任になったんだ。だから仕事量は莫大に増えたんだよ。なのにいつもより早く帰れるんだ。何でだろね」

妻 「アタシよくわかんないけど、ウチの事務所の所長さんがこんなこと言ってたよ」

質のいい仕事をするには、まず量をこなすことが先だ。量が質を生む。

夫 「ううん、それ、わかるなあ。あのね、目の前の仕事がどんどん増えていくとさ、複数の仕事を同時進行していかなきゃ追いつかないんだ。で、そういうことを繰り返すうちに、より短時間でこなすコツが身に付いてくる。その所長さんが意図したこととは違うかもしれないけど、僕の現状としてはそうだね」

妻 「たぶん、アナタの言うことが正しいんだよ。だってさ、忙しいのに顔色いいし、いつも以上にイキイキしてるもん。アナタのそばにいると幸せ」

夫 「ありがとう。今度の週末には何とか」

妻 「アタシね、産み分け法の本読んだの。そしたらね、男の子を作るには、男の人が疲れてちゃダメなんだって。2人いっしょにいかなきゃ男の子ができないって」

夫 「・・・難しい注文だなあ」

妻 「ヘンなこと言ってごめんね。さ、いっしょに晩ご飯食べよ」

 

 

夫 「やった。ついに増員だ。3人も。しかも、来月から僕が課長だよ。きょう部長から内示もらったんだ。忙しくなるけどがんばってくれって」

妻 「代行じゃなくてホントの課長さんなのね。すごいすごい。お祝いしなきゃ。ね、何かおいしいもの食べに行こうよ」

夫 「うん。これから本格的に忙しくなるからなあ。その前にさ」

妻 「なあに」

夫 「僕、今夜は疲れてないから。君も早く、男の子のママになりたいだろ」

妻 「女の子かもしれないよ」

夫 「僕たちの子なら、どっちでもいいさ」

妻 「朝まで課長さんにくっついて離れないからね」

夫 「双子のパパってのもいいなあ」

(了)

 

本記事により、ひとつの疑問が抽出されます。題して、

サービス残業が無くならないのはナゼ?

合わせてお読みください。

 

 

 

 

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