マスク外せば感染、つければ熱中症

【コロナウィルス一色の世になって数か月、マスク姿は当たり前になりました。でも、7月も下旬にきて、連日の暑さです。感染リスクの低い場所では、マスクしていなくても大丈夫だと思うのですが、四六時中着用していないと悪いみたいで…】

 

 

知る人「感染する恐れのある場所と言えば、どういうところだと思うね」

問う人「まあ、感染者のそばはもちろんですが、とにかく、空気のよどんでいる所、人が多い所ですよね。でも、そうでなければ、マスクしていなくても大丈夫だと思うんですね」

知る人「大丈夫か否かはわからぬが、確かに、この暑いのに顔を半分覆ってしまうのは実に不快であるし、熱中症の危険性もある。ただ、この状況なら○、これだと×、というのはだな、個人差があまりに大き過ぎて不可能だ。おおまかに言って、店内、乗り物の中など、閉鎖的な空間は着用した方がよかろうね。が、商店と言っても、大型ショッピングモールみたいな、広過ぎて戸外だか室内だかわからぬほどの場所であれば、それほど神経質にならずともよかろう、との意見もある」

問う人「でも、どこへ行ってもソーシャル・ディスタンスだの何だのと、注意喚起ばかりでしょう。外国のことは知らないけど、私たちの国って、こうと決まったら、みんな一斉にそっちを向いて、よそ見を許さない空気に支配される気がするんですね。”自粛警察” なんていうのも、その延長線上にあるんじゃないかって思うんです」

知る人「そうだな、<一斉回れ右>的体質が、いまだに治っておらぬようだな。東京都を中心に、感染者の数は再び増えている。だが、その内訳を見れば、感染するべくしてそうなったような、感心できぬ行動をとった者がその多くを占めている。まじめに、いや、普通に暮らしている市民はほぼ安全だと言えよう。もちろん、身近に高リスクな人や環境があれば別だが。落ち着いて考えれば、マスク着用時間はもっと減らせると私も思うね」

問う人「でも、なんですねえ、こんなことですら、社会的な基準を設けなければ、人は動かないのでしょうか」

知る人「どうだろうね、昔から私たち日本の庶民は、お上の決定に従うことの慣らされてきた。だから、決まったことにはみな素直に従う。日本人の規律正しさには外国人たちが驚いているだろう。あれはだな、国民の品格ではなく、大昔から延々と続いてきた愚民政策で染みついた体質によるものなのだな。不気味なぐらい素直になれるのは、そこが根源であろう」

問う人「結局、自己責任で、正しいと思ったことを実践するしかないのでしょうか」

知る人「そうだな、これは世論を喚起するほどの問題でもなさそうだからな、自分なりに納得して行動する人が増えていけば、少しずつ変わっていくのではないかな」

問う人「他人を監視する ”秘密警察” みたいなものが、私たち一人一人のなかに潜んでいるのかもしれないですね」

知る人「それはあるな。そこをうまく利用したのが、ヒトラーの政治体制だ。まあ、これは別の話になるからやめておくがね。とにかくだな、みんなで苦しむより、みんなで楽しむ方がいいに決まっているのだ。規範意識の一人歩きを許さぬよう、今何が一番大切か、もっとも力を入れなければならぬのは何なのか、をよく考えて、盲目的に世の空気に従うことのないよう気を付けねばならぬ」

横断歩道 いつも赤では ないのだよ

(了)

1380字。

 

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